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Tome Museum
STORY
真夜中に目が覚めた。
まったく、ひどい悪夢だった。
下着もふとんも汗でぐっしょり濡れていた。
寝室は完全な暗闇であった。
着替えるために立ち上がると
頭になにか異様なものが当たった。
こんなに天井が低いはずはない。
手で触れてみると、ぬるぬるしていた。
「なめてやろか食ってやろか!」
突然、おそろしい声がした。
「なめてやろか食ってやろか!」
人間の声ではない。妖怪であろう。
「なめてやろか食ってやろか!」
食われたら、死んでしまう。
「な、なめてください」
必死に頼んでみた。
すると、とんでもない笑い声がして
「なめるぞなめるぞなめまくるぞ」
それから、死ぬほどなめられてしまった。
妖怪ぬるぬる
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